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肝臓は様々な多彩な機能を持つ臓器で末期肝不全の方を救うのは今のところ肝移植しかないといわれています。肝臓移植医療には死体(脳死)肝移植と生体部分肝移植があります。死体移植は事故や脳血管の病気などで脳に損傷を受けた結果、脳死となったけれども臓器は無事であるという人から、臓器の提供を受けて移植するものです。この場合のドナーを死体ドナーといいます。生体部分肝移植は親、子、兄弟などの血縁者などから肝臓の一部の提供を受けて移植します。脳死肝移植医療が進まない日本では,生体ドナーによる生体部分肝移植が95%で主流となっていますが米国では死体移植は97%を占めています。
肝臓は切除しても再生する唯一の臓器のため生体部分肝移植が可能になります。一般的に正常な肝臓であれば肝臓全重量の70%を切除しても,残りの30%の肝臓で肝再生が正常におこり,ほぼ1年でほぼもとの肝重量まで再生するといわれています。
肝移植の適性検査
肝移植の是非は適性検査の結果を踏まえて医師から説明がなされます。私どもは通訳・翻訳・入退院の手続きなどサポート業務に限られます。ですから手術の是非に関しては患者と医師が相談して決めることになります。
もし手術の承諾が得られ、また患者サイドも医師・病院に対して信頼して良いとの判断に至れば待機リストへ登録手続きをします。
一旦、日本に帰国してドナー待機するか、そのまま滞在して手術を受けるかは関係者との協議事項となります。
※一部の血液検査は分析結果が判明するまでに1週間ほど必要になるので最終的判断は少し先となります。(PRA・HLA・感染症等の検査)

検査項目
血液・HLA・PRA・感染症・腎機能項目以上
尿液・検便22項目
感染・5項目
凝血・4項目
超音波・(腎臓・胆嚢・肝臓・心臓)
レントゲン・(胸部正面・側面)
心電図・心肺機能
CTまたはMRI若しくは双方
必要に応じて内視鏡・PET-CT検査を行います。
※検査項目は患者の病状に応じて医師が判断します。

追記
先ずは移植治療の可否をご確認されては如何でしょうか、タイミングを逸すれば肝移植は行なえません。悩みまた迷う日々を送るよりは外科医の裁定を一つの指標として人生を見極める生き方もあるかと思います。
重い肝疾患の患者さんは皆さん同じ辛い心境に置かれます。自分だけが苦しんでいる訳ではございません。どうか前向きにお考えになってください。
将来「あの時に・・・」振り返るよりは、今やるべきことは何なのか冷静にご判断なさってください。きっと心は軽くなると思います。

お知らせ
平成25年3月スタート  事前検査が国内で受けられます。
日本の医療機関(指定病院)にて移植適応の事前検査が行えるようになりました。
各種検査、並びに問診の結果を英文に翻訳し、海外の医療機関へ照会するシステムが整いましたのでお知らせ致します。

いままでは適応検査のために渡航し、移植の可否が判断されていました。この検査で移植不適応と判断された場合は、渡航が無駄になってしまいます。

また、事前に国内で適応検査を行うことで、余裕を持ってドナーの準備または手配が可能となります。
このことから、海外での滞在期間も短縮され、患者さまの精神的負担や滞在費用などの金銭的負担の軽減にも繋がります。
※ 国内検査は1週間前に予約が必要でとなります。
                          平成25年3月12日


肝移植費用について
渡航先や引き受け医療機関により費用は異なります。また為替の変動や滞在期間の長短でも費用総額は大きく増減します。
私どもでは正確な情報をお伝えするためにご相談を伺いし、海外の複数の医療機関へ照会をした上で適確な回答をしています。費用明細や待機条件などを比較検討した上でご判断頂ければと存じます。
現地に到着してから移植手術をするまでどのくらいの期間待機すればいいのかは、患者様が最も気に掛かる事案かと思います。滞在が長期化すると費用もさることながら精神的にも大きな負担となります。実際に付き添いをしている私どもの経験から2週間を超えると不安を感じ始める方が多いようです。
以前はアジア地区であれば患者側の都合で概ねの手術日を選択することは可能でしたが、目下のところ病院または医師の都合が優先されています。これについてはドナーが減少していることも関係しています。移植センターなどの名門病院や高名な外科医の承諾を得ることは一朝一夕ではありません。きめ細かな協議を重ねて渡航の日程を取り付けているのが現状です。
ドナーには生体と死体がありますが引き受け病院により生体と死体の双方の移植を行っているところもあれば、死体または生体に限定している病院もございます。例えば死体(脳死も含む)移植の場合は臓器取出しから移植までの時間的制限がある為に医療機関の近隣で待機しなければ手術は行なえません。
移植治療を受ける手順としては先ず現地で移植の適応検査を行います。移植治療が有効と判断されると待機リストに登録されます。肝移植の場合は余命の関係から適応検査の承認が得られると通常はそのまま現地待機となります。患者様の都合で一旦帰国されることは可能ですがその際は待機リストから外されます。
※欧米の病院では、手術または緊急処置に対する同意(署名)の関係からご家族の同行が条件になっています(欧米以外は本人だけでも可能です)。


手術費用の概算
手術費           2万5千ドル
入院加療(個室利用)    2万8千ドル
合計            5万3千ドル
※ドナーに関する費用及び渡航費・滞在費などの諸経費は含みません。ご家族同行の有無や為替の変動など勘案して積算費用明細を提示いたします。渡航計画の全容を把握した上で、ご判断をなさってください。
上記は入院から退院するまでの総費用の平均値とご理解ください

米国・シンガポール等の先進国ならば2~30%高額となり、またインドは2~30%差し引いた金額となります。

日本を含め腎移植に関する手術費は使用する医療器材・免疫抑制剤等の投薬が世界的に標準化されており手術費それ自体に大差はございません。
大きく変わるのはドナーに関する費用です。これに付いては渡航国及び医療機関により数数百~数千万円まで様々です。

滞在費に付いて
治療費以外の付帯費用は相談事項となります、宿泊されるホテルのクラスや付き添いサービスの程度により増減します。
また、現地入りしてから何日後に手術が受けられるか費用計算する上でとても重要となります。
私どもでは移植手術を引き受ける医療機関と事前協議を重ね、ドナー出処のタイミングに合わせて渡航計画を立案しています。
ドナー待機の時間が短縮できれば費用の負担も軽くなります。また金銭面だけではなく精神的ストレスも軽減します。
移植手術の適応検査を兼ねて現地へ行き、待機リストに登録してから日本でドナーの連絡を待つ方式もあります。

※移植を経験された方から現地の様子などお聞きになることもできます。


資金計画について
待機中の治療や投薬など個別に費用請求される場合と入国から帰国までの総費用を取決めする場合があります。
患者側からすると渡航の予算立てをする関係上、事前に総費用が確定した方がより安心です。私どもでは病院との事前交渉により、追加費用が生じない総費用の約束を交わしています。これについては患者様との無用なトラブルを未然に防ぐ目的でもあります。
※移植目的の場合は海外で支払った医療費は保険の適用(還付請求不可)は受けることができません。
生命保険に付いては給付請求の申請をすれば約定金額を受け取れることができます。
肝移植のタイミング
肝移植は手術のタイミングが大変重要となります。ご相談に見えられる方の中には症状がまだ初期段階で肝硬変も進んでおらず、癌も見当たらない状態であっても病気に対する恐れから早く移植をしなくては手遅れになると思い、慌てられる方もいます。一般論として余命が3年以上あればまだ手術の段階ではありません。

それとは逆に外見はとても元気で普通に仕事をされている方でも肝臓以外に癌の転移があれば移植手術はできません。それは移植後の拒絶反応を抑える免疫抑制剤を投与すると転移した癌細胞が一斉に増殖し始める危険性があるからです。移植した肝臓は元気になったとしても転移した癌により数年の寿命しか望めません。このような場合は肝移植不適格とされ手術は行なわれません。昨年は3名の方が折角現地に行かれたにも拘わらず手術不適格となり大変残念な結果となりました。

癌の進行がどの程度までなら肝移植ができるのかはとミラノ基準(詳しくは下記リンク)を参考にしてください。これは医学的根拠に基づいた国際基準なので米国や中国においても準じた適用をしています。
※中国ではミラノ基準外でも患者さんの病状を総合的に判断し手術が行われる事が多々ございます。ただし、その場合は開腹時に内臓全体を目視にて癌の有無を調べ、もし肝臓以外に癌が発見された場合、移植手術は中止となります。(条件付き肝移植)

患者や家族の方は大きな期待を胸に現地入りされます。到着された翌日から集中検査をして3日後にはその結果が伝えられます。現地では多い日には数例の肝移植が行われています。その様子や他の術後の患者さん達を目のあたりにするので、いやおうなくとも肝移植に対する自信や期待が高まります。

肝硬変が進んだ患者さんは外見的にも体力の衰えが感じ取れます。またご本人も息切れや疲労感、黄疸、腹水などの自覚症状が現れ病気に対する心構えをある程度お持ちになっています。
末期の肝硬変は余命数ヶ月でも肝移植により劇的に快復する症例です。昨年中も余命2カ月を切った患者様(女性・65歳)の方が現地到着後3週間で手術をされ大変元気になられて帰国されました。歩くこともかなわず、日本の病院からは寝台タクシー、現地では救急車にて搬送する状態でしたが、術後5日目には車いす乗り通常の和食1人前を平らげるまでに快復されました。

それに対して肝臓がんは自覚症状が少なく本人は至って元気な様子で、現地に着いても周囲に冗談を話たり、同僚や部下に電話して業務の打ち合わせや指示など精力的にこなされる方も見受けします。しか、そんな方でも検査の結果、病状は肝移植ができないほどに進行しており、どうにもならない状態と告げられることも稀ではありません。「青天のへきれき」とはまさにこの事です。

肝臓は全体の40%程度機能していれば少しの疲れは感じても通常の生活はできてしまいます。それ故に肝臓がんの患者さんは手遅れになりがちです。また体の調子が悪いからと病院に行った時には、既にミラノ基準すれすれ、又は基準外の方もいます。
また医師からは病状が家族に知らされてもご本人へは正確に伝えられないケースもございますので以下の点に留意してご自身が冷静に判断することが何よりも大切です。

(1)自分の病状はどうなっているのか
(2)治療方法はあるのか
(3)移植手術は有効か

医学の進歩により肝臓疾患は適切な時期に移植手術を行えば完治または10年以上の長期間に渡り健常者と変わらぬ生活が可能な時代になったことを知って欲しいと思います。

肝移植の成功率
面談の時に「この病院の移植手術の成功率はどのくらいでしょうか」と患者さんやご家族からよく聞かれます。最近では肝移植の成功率についてドナーとレシピエントとの適合状況で事前に成功率がどの程度なのかを高い確率で予測できるようになってきています。
肝移植は手術前のスコアリング(国際予後予測スコアリング・システム)にて1年後の生存率がどの程度なのか過去のデータの蓄積から高い確率で推測できるようになりました。
例えば、血液型が不適合でドナーの年齢が65歳を超えていると1年後の生存率は20%未満となります。これが45歳未満になると30%前後に高まります(医療機関により多少差があります)。また、日本で多く行われている親族による生体間の移植では提供者であるドナーと患者(レシピエント)の体格差が生存率に大きく影響することが周知されるようになりました。
※スコアリングとは血液型・年齢・レシピエントの病状・ドナーサイズ・ドナー年齢など以外に感染症の有無など多岐に渡る複合的な判断となります。その他執刀する外科医のレベルや術後のバックアップ体制の優劣も生存率に大きく関係してきます。
ドナーは血液型が適合したレシピエントより体格の大きく若い人が最適です。また、部分移植ではなく肝臓全体を移植することができれば生存率は飛躍的に高まり予後の快復も良好となります。
世界最高水準の医療レベルを保持しながら我が国における肝移植の成功率が米国・中国より劣るのはドナーとの適合(マッチング)が主因となっています。
米国では脳死移植が主流であり生体間の移植は近年増える傾向にありますがまだ少数です。中国は複数のドナー候補から最適な臓器を選択できるところが強みとなり生存率を高めています。肝移植とは事前にどの程度の成功(生存)が見込まれるのかを推測できる移植治療なのです。
病院の広報に「術後の生存率」を掲示されている医療機関もありますが、生存率が高いからといって一概に良い病院とは言えません。なぜならリスクの少ない患者(高スコアリング)だけ選んで手術すれば成績(生存率)は高くなるからです。反対に、患者やその家族から懇願されハイリスクと承知しながらも最後の望みである生体肝移植に挑む崇高な外科医が逆に低い評価となってしまうこともあります。
トップレベルの医療機関の生存率がむしろ低い傾向にあります。それは地方の病院では対応できない末期の患者や低スコアリングの患者を積極的に引き受けている事情などがあるからです。成功率の高低だけで病院の良し悪しは語れないのです。

最近、日本国内では手術の成功率が低いと病院の評価が落ちる事を気にかけて高リスク患者の手術を控える医療機関が増えています。
適合した良いドナーであれば95%以上の生存率(1年後)が見込める患者であっても提供者が親族に限られると血液型不適合や高齢者(45歳以上)、またはレシピエントより体格の小さい人からの生体肝部分移植になることが多く、どうしても手術の成功率は低くなってしまいます。これは日本の医療レベルが中国より劣っているからではありません。むしろSICU(外科系集中治療室)のバックアップ体制レベルは日本の方が優れています。
同じ条件下での肝移植であれば日本の方が格段に安全性は高いのですが、限られた条件下では成功率が見込めないのです。
中国において手術件数がトップレベルの病院では年間300例以上の肝移植が行われています。その内90%以上は親族以外です。より多くのドナーの中から適合した肝臓を選ぶことが高い成功率に繋がっているのです。

米国においても肝移植を行う医療機関を各地域に絞り込みドナーとレシピエントを集約することにより高い次元で適合(マッチング)させる方向へと進められています。この点が日本と大きく異なります。現地に行かれた患者さんは、ドナーを手配する自家用ジェットの体制や規模の大きさに皆さん驚かれると同時に安心されます。

これは昨年中国で私が経験したことですが、余命3ヶ月の患者を前にして何度か手術(ドナー)を見送りました。私もご家族も一日も早く手術をしなければならないと切迫した緊張状態のさなか、主治医は「もっと良いドナーが出ると思うのでもう少し待ちましょう」と事も無げに言われる姿に何とも驚かされました。
これほどまでにドナー事情に歴然とした国内外の差があるのです。日本の肝移植の生存率が米中と比較して低いのは医療レベルの問題ではなく限られた厳しい条件下で行われているからなのです。※中国の医療機関は海外から患者を迎え入れている移植センター及び移植専門病院(3施設)を比較検討の対象としています。

米国の移植センター
こちらの移植センターでは主に心臓移植、肝移植が行われています。街も病院もとても綺麗で整備されています。スターバックスや銀行、レストランなどがすぐ近くにあり、院内にもカフェやコンビニが充実しています。また複数のセキュリティスタッフも配置されているので安心です。
15歳未満のお子様も海外から移植治療に数多く見えられています。

病院の街並み(2011年12月)

肝移植・院内の様子(2011年12月)

心臓移植・院内の様子(2011年12月)


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