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腎臓移植とは、末期腎不全で腎臓が機能しなくなった患者に他人の腎臓を移植し、その人の腎臓として働くようにさせる医療で死体移植と生体移植があります。
死体移植は事故や脳血管の病気などで脳に損傷を受けた結果、脳死となったけれども臓器は無事であるという人から、臓器の提供を受けて移植するものです。この場合のドナーを死体ドナーといいます。生体腎移植は親、子、兄弟などの血縁者などから腎臓の提供を受けて移植します。人体には腎臓は2つあり、ひとつになっても腎臓の機能に問題がないため、1個を取り出してレシピエント(移植を受ける人)の体に移植します。
移植が成功すれば腎臓は正常に機能し、免疫抑制剤を飲む以外は普通の人と同じように生活することができます。
腎移植の適性検査
腎移植の是非は適性検査の結果を踏まえて医師から説明がなされます。私どもは通訳・翻訳・入退院の手続きなどサポート業務に限られます。ですから手術の是非に関しては患者と医師が相談して決めることになります。
もし手術の承諾が得られ、また患者サイドも医師・病院に対して信頼して良いとの判断に至れば待機リストへ登録手続きをします。
一旦、日本に帰国してドナー待機するか、そのまま滞在して手術を受けるかは関係者との協議事項となります。
※一部の血液検査は分析結果が判明するまでに1週間ほど必要になるので最終的判断は少し先となります。(PRA・HLA・感染症等の検査)

検査項目
血液・HLA・PRA・感染症・肝機能・・・40項目以上
尿液・検便22項目
感染・5項目
凝血・4項目
超音波・(尿管・膀胱・腎臓・胆嚢・肝臓・心臓)
レントゲン・(胸部正面・側面)
心電図・心肺機能
必要に応じて内視鏡・CT・MRI・PET-CT検査を行います。
※検査項目は患者の病状に応じて医師が判断します。

追記
良い腎移植とはご自身の体に適合した腎臓を貰うことです。
いつかは腎移植とお考えの方は将来の道筋をつける意味でも検査を兼ねて現地の医師や病院を視察されてはいかがでしょうか。
サポート体制や術後のケーアー体制を見ることも重要なことです。また実際に手術を受けた患者さんから直接、話を聞けば参考になると思います。
もし納得でき不安が解消されたのなら待機リストへ登録して、日本でドナー情報を待つのも方法かと思います。

お知らせ
平成25年3月スタート  事前検査が国内で受けられます。
日本の医療機関(指定病院)にて移植適応の事前検査が行えるようになりました。
各種検査、並びに問診の結果を英文に翻訳し、海外の医療機関へ照会するシステムが整いましたのでお知らせ致します。

いままでは適応検査のために渡航し、移植の可否が判断されていました。この検査で移植不適応と判断された場合は、渡航が無駄になってしまいます。

また、事前に国内で適応検査を行うことで、余裕を持ってドナーの準備または手配が可能となります。
このことから、海外での滞在期間も短縮され、患者さまの精神的負担や滞在費用などの金銭的負担の軽減にも繋がります。
※ 国内検査は1週間前に予約が必要でとなります。
                          平成25年3月12日


腎移植費用について
渡航先や引き受け医療機関により費用は異なります。また為替の変動や滞在期間の長短でも費用総額は大きく増減します。

私どもでは正確な情報をお伝えするために、ご相談を伺いし海外複数の医療機関へ照会をした上で適確な回答をしています。費用明細や待機条件を比較検討した上でご判断頂ければと存じます。

現地に到着してから手術するまでどのくらいの期間待機すればいいのかは、患者様が最も気に掛かる事案かと思います。滞在が長期化すると費用もさることながら精神的にも大きな負担となります。実際に付き添いをしている私どもの経験から2週間を超えると不安を感じる方が多いようです。

以前は、アジア地区であれば患者側の都合で概ねの手術日を選択することは可能でしたが、目下のところ病院または医師の都合が優先されます。これについてはドナーが減少していることも関係しています。移植センターなどの名門病院や高名な外科医の承諾を得ることは一朝一夕ではありません。きめ細かな協議を重ねて渡航の日程を取り付けているのが現状です。
ドナーには生体と死体がありますが引き受け病院により生体と死体の双方の移植を行っているところもあれば、死体または生体に限定している先もございます。例えば死体(脳死も含む)移植の場合は臓器取出しから移植までの時間的制限がある為に医療機関の近隣で待機しなければ手術は行なえません。

欧米などの遠隔地の場合
先ずは現地で移植の適応検査を行います。移植治療が有効と判断されると待機リストに登録して一旦帰国します。その後、待機リストの上位にランクされると連絡が入り現地待機に切り替わります。この期間は血液型にもよりますが概ね2年~4年ほどです。(現地入りしてから1~3ヵ月で移植手術が受けられます)
※欧米の病院では手術または緊急処置に対する同意(署名)の関係からご家族の同行が条件になっています。(欧米以外は本人だけでも可能です)

滞在費に付いて
治療費以外の付帯費用は相談事項となります、宿泊されるホテルのクラスや付き添いサービスの程度により増減します。
また、現地入りしてから何日後に手術が受けられるか予算立てする上でとても重要となります。
私どもでは移植手術を引き受ける医療機関と事前協議を重ね、ドナー出処のタイミングに合わせて渡航計画を立案しています。
ドナー待機の時間が短縮できれば費用の負担も軽くなります。また金銭面だけではなく精神的ストレスも軽減します。
移植手術の適応検査を兼ねて現地へ行き、待機リストに登録してから日本でドナーの連絡を待つ方式もあります。

※予定していたドナーとのマッチングが合わず計画通りにいかないこともございます。
※この数年の実績では出発から帰国まで約85%の方が30日以内で帰国しています。

経験者の話し
順調に手術を済まされた人、予期せぬトラブルで大変な苦労を味わった人など、実際の体験を聞かれるとたいへん参考になると思います。
将来、渡航移植を検討されている方には患者会連絡表を開示しています。直接電話お掛けになり現地の様子を尋ねることができます。
皆さん「経験者の話が先に聞けて良かった」と話されます。
私どもとは違った視点から渡航移植の話が聞けるからと思います。
※患者会リストはご本人の了承を得た方のみ開示しています。

 

資金計画について
待機中の治療(人工透析含む)や投薬など個別に費用請求される場合と入国から帰国までの総費用を取決めする場合があります。患者側からすると渡航の予算立てをする関係上、事前に総費用が確定した方がより安心です。私どもでは病院との事前交渉により追加費用が生じない総費用の約束を交わしています。これについては患者様との無用なトラブルを未然に防ぐ目的でもあります。

※透析費用はアジア地域で約1万円・欧米は約5万円程度です。
移植目的の場合は海外で支払った医療費は保険の適用(還付請求不可)は受けることができません。
生命保険については給付請求の申請をすれば約定金額を受け取ることができます。


腎移植の待機時間
待機時間は医療機関により様々です。米国では患者さんの診療情報を提示後、病院から待機時間の通知があります。米国の医療機関ではドナー登録をしてから3年以上待たなければいけない場合が多いですが半年程度の待機で移植が可能な医療機関も一部ございます。
中国の医療機関の待機時間は1〜2カ月ぐらいで以前より短縮されています。事前に患者情報(診療情報)を提示すると、現地到着着後1〜2週間で手術が受けられる医療機関もございます。
腎移植の生着率
臓移植の成績は「生着率」で表します。これは移植後一定期間たった時点で、どのくらいの腎臓がレシピエントの体内で機能し続けているか、という割合です。
腎移植は世界的に標準化されており医師の技量・設備・投薬に大差はなくアジア地区でも心配は不要です。腎移植の生着率は「術3分のケア7分」と言われています下記の4項目が「3分」で残り「7分」は帰国後の継続治療を指します。

腎移植の優先順位は
(1)血液型の適合
(2)年齢の若いドナー
(3)ドナー体格
(4)HLA(白血球の配列)の高次元の一致となります。

(1)例えばA型→B型への移植は日本以外の国では緊急避難的手術と位置付けており通常は行いません。
(2)ドナーの年齢が若いほど腎細胞は活性化しており細胞の新陳代謝も盛なので長期の生着が見込めます。
(3)体格と腎臓の大きさは比例しているのでレシピエントより大きなドナーが理想となります。実際に術後の体調や5年後10年後の腎機能に大きな差が生じます。
腎臓は老廃物を濾過するフィルーターの働きをするので容量が大きいほど負荷が少なく長期の生着が望めます。
(4)最近は新薬の開発により拒絶反応をコントロールすることが可能となり以前ほど神経質になる必要はございませんが一致項目が多いほどより良いことは言うまでもありません。

折角、移植した腎臓も術後のケアが適切でなければ短命に終わってしまいます。術後のケアとは患者の体調の変化に合わせて適切な処置がなされるか否かにかかっていますこれには医師の経験則や知識が大変重要となります。血中の濃度を調べ薬剤の組み合わせや投薬量を調整します。薬効が少なければ拒絶反応を起こし、逆に多すぎればその副作用により腎臓を傷め短期間で腎臓は廃絶してしまいます。
その他にBKウイルスやJCウイルスの発見・処置が遅れた為に移植した腎臓を短期間でダメにされた患者の方もいます。患者さんは海外の病院や医師の技量レベルを心配されますが実のところは帰国後のケアの方が腎臓の生着期間を左右します。
参考資料(下記リンクを参照)
下記の表を見ると、これから腎移植をされる方は平均して15年以上は生着すると考えられます。またこの統計は国内での腎移植なので血液型不適合の手術・ドナーの高齢・体格の小さな女性から男性への移植など悪条件の手術や70歳を越した方の手術も多数統計に含まれています。16,6%の人は移植腎の廃絶ではなく老衰などの死亡によりカウントが停止されています。移植医療の進歩により条件の良いドナーと術後のケアを適切に行えば20年以上の生着も十分望めると時代となったのです。
http://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/KidneyTransplant/kidney_qa01_06.html


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