腎移植の生着率
臓移植の成績は「生着率」で表します。これは移植後一定期間たった時点で、どのくらいの腎臓がレシピエントの体内で機能し続けているか、という割合です。
腎移植は世界的に標準化されており医師の技量・設備・投薬に大差はなくアジア地区でも心配は不要です。腎移植の生着率は「術3分のケア7分」と言われています下記の4項目が「3分」で残り「7分」は帰国後の継続治療を指します。
腎移植の優先順位は
(1)血液型の適合
(2)年齢の若いドナー
(3)ドナー体格
(4)HLA(白血球の配列)の高次元の一致となります。
(1)例えばA型→B型への移植は日本以外の国では緊急避難的手術と位置付けており通常は行いません。
(2)ドナーの年齢が若いほど腎細胞は活性化しており細胞の新陳代謝も盛なので長期の生着が見込めます。
(3)体格と腎臓の大きさは比例しているのでレシピエントより大きなドナーが理想となります。実際に術後の体調や5年後10年後の腎機能に大きな差が生じます。
腎臓は老廃物を濾過するフィルーターの働きをするので容量が大きいほど負荷が少なく長期の生着が望めます。
(4)最近は新薬の開発により拒絶反応をコントロールすることが可能となり以前ほど神経質になる必要はございませんが一致項目が多いほどより良いことは言うまでもありません。
折角、移植した腎臓も術後のケアが適切でなければ短命に終わってしまいます。術後のケアとは患者の体調の変化に合わせて適切な処置がなされるか否かにかかっていますこれには医師の経験則や知識が大変重要となります。血中の濃度を調べ薬剤の組み合わせや投薬量を調整します。薬効が少なければ拒絶反応を起こし、逆に多すぎればその副作用により腎臓を傷め短期間で腎臓は廃絶してしまいます。
その他にBKウイルスやJCウイルスの発見・処置が遅れた為に移植した腎臓を短期間でダメにされた患者の方もいます。患者さんは海外の病院や医師の技量レベルを心配されますが実のところは帰国後のケアの方が腎臓の生着期間を左右します。
参考資料(下記リンクを参照)
下記の表を見ると、これから腎移植をされる方は平均して15年以上は生着すると考えられます。またこの統計は国内での腎移植なので血液型不適合の手術・ドナーの高齢・体格の小さな女性から男性への移植など悪条件の手術や70歳を越した方の手術も多数統計に含まれています。16,6%の人は移植腎の廃絶ではなく老衰などの死亡によりカウントが停止されています。移植医療の進歩により条件の良いドナーと術後のケアを適切に行えば20年以上の生着も十分望めると時代となったのです。
http://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/KidneyTransplant/kidney_qa01_06.html |