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被災地に於ける透析医療を考える 2019年01月24日

近年、地震、台風、集中豪雨等が頻発し、その地域に甚大な被害を与えたことは記憶に新しいと思います。
TV・新聞等では、家屋倒壊をはじめとした物理的被害ばかりが目に付きますが、治療を必要としている病人達が、死活問題に直面していたことは、陰に隠れてあまり報道されてないのが実情です。そこで今回は数多い病気治療中の患者さんの中から、透析患者さんにスポットをあて考えたいと思います。
◆血液透析医療は災害に弱く、ライフラインに依存した治療である
透析医療は、一般的に人工腎臓(ダイアライザ)と呼ばれる透析器を利用し血液浄化を行います。この機械は電動式なので電気がないと動きません。さらには1回につき120L/人の水を必要とします。電線寸断及び水道供給設備が破壊され、普段通っていた透析センターでは受けられない事態になってしまった場合のことを考えてください。ご存知の通り、透析一回に掛かる時間は4~5時間で、週3回を基本とします。この透析が出来ないとなると、比較的被害の少ない地域へ患者さんが集中します。そうなると、施設としては数多くの患者さんへ透析を行うため、通常4時間のところ半分の2時間に短縮したり、稼働時間を増やしたりして、何とかやり繰りしようと考えます。実際にそうした施設があったそうです。それでも一台フル稼働で出来る人数は、機械の洗浄も考えると1日8~10人が限度でしょうから、本来の患者さんもいるので、そこへ着いたからといって直ぐに出来るわけではありません。
しかも2時間程度の浄化ですからストレス等と相まって、普段とは全く違った回復状態になるのが想像できます。これも道路状況が悪いながらも何とか行き着ければのことで、もし道路が分断され通行ができない環境下におかれた場合、ヘリコプターやボートでの移動を強いられることになります。そうなると更なる順番待ちが発生するのは必至です。東日本大震災以降も、山梨雪害・茨城県鬼怒川の氾濫等、災害が起こる度に透析を受けられなくなる「透析難民」が発生してしまいます。
過去に起きた大災害時に、透析患者がどうなったかを是非検索してみてください。知りたい情報がたくさん紹介されております。そしてもし「関東で壊滅状態の災害が起きたら」を想像してみてください。資料によると、関東エリアの透析患者人口は約10万人(2017年発表)だそうです。これはもう考えただけでも恐ろしく、私共では予測もつきません。そうならないように願うばかりですが、災害時や緊急時の際はどうすれば良いのか考えておくことの重要さを再認識させられました。
難病患者支援の会 高野



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