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私たちの活動 2016年02月23日

渡航移植の問題点・・
現在、移植希望者の受け入れが可能な国は中国・インド・米国の3ヵ国となっています。
とりわけ積極的に受け入れをされているのが米国の5施設です。
中国とインドは外国人の受け入れ制限が5年前より厳しくなり、正規手続きにて移植治療が行える先は私どもが知る限り2施設しかございません。

渡航移植の問題点(費用が不明確)
米国の場合、英語ができる方は直接、医療機関のHPから渡航移植の申請が可能ですが、
同じ移植内容であっても施設数も多い分、それらの施設により数千万から1億円以上と
大きな金額差が生じるのが実状です。
もし、英会話に問題が無く、他の施設から集めた情報をもって直接交渉すれば、大幅な減額も表向き可能と思われますが、仮に金額を下げることに成功したとしても、後で色々と追加費用が発生し、減額交渉の意味を成さなかったケースが多く、語学力や交渉力だけでは解決できない事例が存在するのです。
例えば50万ドル(約6000万円)にて心臓移植の基本契約をしたとしても、術後の回復は個人差がありますし、感染症や拒絶反応等で入院が長引いた場合、次々と治療費が加算されてしまいます。
そして、本当に必要な治療なのか医学知識を持ち合わせていない患者や家族は、医師の言うことに従うしかありません。
これらの背景の中、意図的に入院を長引かせる悪質なケースも、アジア地区に限らず米国の医療機関に於いても散見するので注意が必要です。
100例中数例は、術後重篤となりICUにて数カ月に及び治療をしなければならないケースもあり、その場合数千万円の追加費用が生じるのも事実です。
そのような事から、心臓移植の募金活動をする際は、稀に生じる多額の追加治療費も含めて2億円以上の目標金額を設定します。
従って、個人で移植手術の手配と手術自体の費用については把握できたとしても、帰国までに掛かるその他入院費用を含む総額まで、取り決めることは容易なことではないのです。

仲介手数料について
臓器移植は、まさに生死を分ける治療であることから、その実現に際して中心的役割を果たした者にどのような対価を支払うべきか、また何を尺度として評価するのか、適切と思われる判断基準はございません。

例えば、日本国内で子供の心臓移植をした場合、移植手術費用は200万円(実費のみ)超えることはありませんが、日本人が米国で移植治療を行えば一般的に1億数千万の費用が必要となります。
米国でも臓器売買は禁止されているので、医療費・搬送費・滞在費等の実費以外は関係者への謝礼金(順番の割り込み等)となります。
日米の物価の差、術後の入院費用などを加味しても、関係者へ多額の謝礼金が支払われている現実があります。
この謝礼金には定まった基準は無く、個々の事案ごとに当事者間の合意に基づいて決められているのが実情です。
子供の移植が成人に比べて高額であったり、本来、肝移植と比較して低額であるはずの心臓移植が高額となるなど、渡航移植には医療費(実費)の積算という合理的概念が存在しません。
命を救う方法が移植術以外にない場合、依頼人(患者側)の要求度(逼迫性)に応じて謝礼金を含めた総費用が双方合意の下で決められます。
渡航移植に関する、これらの特殊性をどのように酌量するか難しい問題となります。

注意すべき点として関係者へ支払う謝礼金はすべて医療費として計上されるので内訳は不明です。
医療費の実費と渡航費用や滞在費などの諸経費を差し引いた残額が、関係者への謝礼金と推察できます。
この謝礼金の分配ですが、通常は患者を送り出した仲介者(医師含む)と引き受け医療機関が折半するのが、非公開ではあるが慣例となっています。

私たちの活動
上記の渡航移植に関わる諸問題を顧問弁護士並び医療関係者と協議した結果、費用明細並び諸条件を明記した「渡航計画書」を事前に提示し透明性の高い内容としています。
私たちは平成17年8月から渡航移植の支援活動を始め翌々年6月8日内閣府の認証を得ています。
この10年余りの活動に於いて様々な経験を重ねて参りました。
最初からスムーズに移植治療が行えた訳ではございません。何度も障害を乗り越えて今日があります。
活動を始めた3年間は苦労の連続でした。病院側と約束した条件をいとも簡単に覆され、多大な損失を被ることも度々ございました。
苦い経験を積み重ね、信頼できる医療機関と安定的な関係を築くのに、数年の期間を要しています。
今、私達が活動できるのは、私たちが医療機関を選択する以外に、渡航先医療機関も私たちを選択してくださったことです。
ある移植センターでは、6年前まで私ども以外に複数の仲介業者から患者を引き受けされていましたが、諸事情により私どもが日本人患者の窓口となりました。

その諸事情とは仲介する業者が、患者の経済力に応じて手術費用を変えていたことです。
具体的に申しますと、当時、肝臓移植の費用は1200万円でしたが、他のコーディネーターは、患者の経済力に応じて3000~8000万円を受け取っていたことに病院側が気付き、引き受けを断るようになりました。
渡航移植では日常茶飯事の問題ですが、よくよく調べるとこれらの仲介者(コーディネーター)は、年間1~2名程度しか仲介しておらず、数少ない患者から必要以上に多くとることで、事務所の維持費をはじめとする年間の諸経費を捻出していたと思われ、医療機関から不信をかったようです。

平成28年2月22日



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