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渡航前の心構え 2012年07月24日

渡航先で移植を待つ患者は大変不安定な精神状態になります、日本国内に居る間は家族や友人または医師からの言葉などで心の支えがありますが、海外では一転して孤独な心理状態に置かれてしまいます。相当しっかりした方でも現地に行くと様々な不安に苛まれるようです。
しかし心構え一つで不安は解消できます。目的意識をしっかり持ち「治療をする為に自分はここに来た、必ず元気になって日本に帰る」と何度も自分に言い聞かせて「ここは外国だ、少々のことは我慢しよう」と心に決めることです。日本と違い不安や不満は日々あるものだと予め心づもりをしておけば予期せぬ出来事に遭っても一喜一憂しないで済みます。

患者さんの中には病室で日本と同じようにしようとエネルギーを使われる方がいます。
例えば、付き添いの看護士に通訳を通して日本の病院のやり方などを朝から晩まで説明する方がいらっしゃいます。当人は教育のつもりで話されいますが時として反感を買ってしまうことがあるようです。
また、病室を掃除に来た清掃員の方に「日本流掃除」と称して実地指導された患者さんもいらっしゃいました。清掃員の方はかなり憤慨されていました。

ある患者さんは、点滴を吊るすスタンドに花が咲いたように各種の点滴剤が十数個下がっていた時に、「こんなに沢山の点滴をどうしてするのですか。日本ではもっと少なかったですよ」と指をさし、「あの黄色の大きな袋だけは止めるように看護士に言ってください」と仰いました。
こんな場合には、私たちは「先生方が早朝から相談して●●さんの体に良い薬を全て選らんで投与して下っていると聞きました。あの落ちる一滴一滴が●●さんの体を守ってくれるのです。辛いですよね、でもこの薬達に感謝しなくては」「元気になって日本に帰ると約束しましたよね、辛くて苦しいのは分かるけど一緒に乗り越えましょう・・」などと視点を変えて説明したりします。

現地に着いたら「ここは文化も習慣も違う国だ」と心に繰り返し言い聞かせることが大切です。そうすればこの様な場面に遭遇しても「ここは日本じゃないからしょうがない」と半分諦めのような納得ができます。考え方一つで不安が安心に変わります。
入院時のコツ
執刀する外科医が毎朝病室にいらっしゃる朝の回診は日々の不安や疑問を尋ねる絶好の機会です。(教授の問診は2分〜3分程度しかありません)
事前に通訳(スタッフ)の人と打ち合わせて簡潔に質問できるようにしておきましょう。この時にスタッフはどんな質問の仕方が良いか様々なアドバイスをしてくれます。

患者の方はついつい日本での入院生活と比較してしまいます。些細な違いにも言いようのない不安を感じてしまう方が多いようです。渡航する前に本人とご家族の方にはカウンセリングを受けることをお勧めします。心の持ち方次第で不安や疑問の大部分は解消できるのです。



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