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中国の暴動に付いて 2012年08月21日

中国では年間20万件以上の暴動があると公表されています。
日に換算すると1日500件以上の暴動が発生していることになりますが中国で長く暮らしている人達は実際の数字はもっと多いと感じている筈です。これらのデモや暴動に付いてメディアで伝えられていない本質について記述したいと思います。

中国の暴動は大きく分けて2つのタイプがあります。一つは利害に関する暴動ともう一つは政治的な理由を背景にしたデモや暴動です。
反日デモは後者になりますがこれら政治的な背景があるデモや暴動は実は一般市民による自発的な抗議活動ではないのです。
中国では政治的な活動をする場合、政府の指導またはコントロール下で行われるのが通例です。例えばスローガンだけのデモ行進するのか、投石までして良いのか主催者は事前に当局(政府)の指示または承諾を得てから行なわれます。日本人が心配する様な感情の赴くまま無秩序な抗議行動では無いことは知っておく必要があると思います。
また、利害関係による暴動が発生するのは司法制度が確立されていない事に起因しています。日本では話し合いにより係争が解決できない場合、訴訟を提起して裁判所の判断に委ねられます。しかし中国では訴訟を提起する人は少数です。その理由は公正な裁判が期待できないからです。判決は政府の意向や当事者の力関係または賄賂によりどうにでも変わってしまうのです。
そのようなことから市民は要求を通すために大勢で相手方に押し掛けて実力行動をした方が良い結果を得られると思いから集団抗議をします。警察や公安もその辺の事情を十分承知しているので無理な鎮圧はせずに傍観しているケースがほとんどです。
また、正当な権利主張のみならず些細な係争でも相手が弱いと見れば集団で不当な金銭要求も起こすので相当な件数に達します。このように利害に関する暴動は治安の乱れというよりも紛争の解決または金銭要求の手段として起こっていると捉えるべき問題でしょう。

余談
少し古い話ですがセルビア紛争(99年)が起きた際に中国は米国の意に反した行動をした為にベオグラードの中国大使館にミサイル(トマホーク)を撃ち込まれました。
後に米国は「誤爆」と発表したのです、大使館への攻撃は国際法に照らせば明らかな戦争行為となります。あたかも人の顔を殴っておきながら「ゴメン!間違えた」と開き直ったのです。これに対して中国政府はじっと耐えこらえました。
鄧小平は生前「国力(軍事力)がつくまではアメリカに逆らってはならない、日本(真珠湾攻撃)のような過ちを絶対してはならない・・・」と遺言を残しています。江沢民を始め共産党幹部はこの言葉を噛みしめていたに違いありません。
米国は国益に反する相手には法律を無視しても鉄拳を振るうことを内外に示しました。
そして大使館へのミサイル攻撃に憤慨した北京市民は米国大使館を取り囲み投石行動を起こしました。当時私も北京に駐在しており直接現場に行ってそれを見ました。
結局アメリカは中国側の投石により破損した大使館の修理代金として100万ドルを要求し中国政府から受け取っています。
一方、日本は教科書問題や国連常任理事国入りを表明した為に(05年)中国で抗議の声がネットで広がり暴徒が上海領事館に押し寄せた事件が起きました。この時も偶然上海に居合わせたので現場を目の当たりにしたのです。
米国大使館への投石とはけた違いの激しさでガラスや外壁が200カ所以上破壊され、日本料理店33カ所も大きな損害を受けたのです。今とは比較にならないほどの激しい反日暴動でした。
これに対して日本政府は米国同様に賠償を求めましたが、中国側は「これは国民感情である」とこちらも開き直られたのです。これが現実の国際社会であり国力(政治力)の差であるとも言えるでしょう。

※警察官は大使館を背に整列し、腕を後ろに組んで暴徒の投石を静観していたのは日米大使館ともに同じ光景でした。もし日本なら警察官は体を張ってでも止めに入る筈ですが中国ではそうはならないのです。



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