大きな地図で見る
渡航移植の不安(肝臓移植) 2015年05月26日

移植希望者の最大の関心事は「無事に移植を済ませ帰国できるのか・・」この一言に尽きると思います。
不測の事態が生じた時に誰が、どのように対処して貰えるのか、その責任の所在はどうなっているのか・・・

肝臓移植はタイミングが大切です。
•基礎体力を失った状態からの移植は1年後の生存率に影響します。(詳しくは注:1)
•肝臓がん(原発性)は肝臓以外に転移が認められるかまたは可能性が高い場合、移植はできません。

術後のフォローアップ
肝移植は術後のバックアップ体制の優劣が最も重要となります。
臓器移植は予後に生じる拒絶反応と感染症との戦いの歴史と申しても過言ではありません。

拒絶反応については近年、新薬の開発により生着率は年々向上しています。
一方の感染症に関しても医学の進歩により重篤となるケースは減少しましたが、今日でも感染症の克服は最重要課題となっています。
国内外問わず死亡事例の90%以上は感染症の起因によるものです。(詳しくは注:2)

医療機関の選択
肝臓移植の症例数を基準に選択されるのも一つの判断材料と思います。
年間数例の医療機関と数百例をこなす移植センターでは術後のバックアップ体制が根本的に異なります。
症例数の少ない病院は外科医が中心となり、数百例(年間)の移植手術を行う病院は各専門医の連携による「チーム医療」を採用しています。
外国で移植する場合は、やはり「チーム医療」の方が安心できます。詳しくは(注:3)
日本国内に於いても年間100例以上の病院と数例の病院では1年後の生存率に明らかない差異が生じています。
その他、難易度の高い心臓・肺移植など実施している病院ならばICUのレベルは高く、より安心できます。(私どもの案内先も対応しています)

渡航に関するトラブル
仲介者の言葉だけではなく渡航経験者(複数)から実情を聞かれるのも一つの方法です。
もし仲介者が渡航経験者(複数)との接触を拒むようでしたら実績が無いと判断すべきです。(渡航の是非は正確な情報取集が基本です)
私どもの経験上、海外で移植を済まされた方は同じ病気を抱えた人に対し自らの体験を伝えることに、むしろ協力的で親身になって話してくれます。
•「患者会」03-6742-5014 渡航経験者から直接、話が聞けます。

(注:1)基礎体力に付いて
自立歩行が困難な状態になってから海外渡航はできません。
肝硬変がある程度進行しても多少疲れを感じるぐらいで腹水や黄疸も認められず日常生活に支障なく過ごされている方が大半です。
特に肝臓がんの方はまったく自覚症状がない場合もあります。
散歩に出かけることや車の運転も問題ないと暮らしているとある日突然、体が重く感じ今までなら少し休憩すれば歩けたのが、なぜか動けなくなります。
肝細胞は一部が死滅しても残りの肝細胞が生体活動を維持することが可能です。ところがある時点を境に残された肝細胞では生体維持ができなくなる代償性→非代償性へ移行します。
栄養の消化吸収能力が低下し体脂肪、筋肉が落ち徐々に痩せて基礎体力を失います。

肝移植後は拒絶反応を抑える免疫抑制剤を大量投与します。そのため身体の抵抗力は極度に低下し、健常者なら何でもない弱小細菌やウイルスに感染し重篤になってしまいます。
感染症を克服するには「基礎体力」重要となります。ICUの重篤な患者に対し医師は「あとは患者自身の生命力が、どの程度あるか・・」など話されることがあります。
この「生命力」とは心肺機能と基礎体力を指します。詳しくは面談の折にお伝えします。 

(注:2)術後のリスク
感染症による体内炎症が広範囲に拡散した場合、治療薬である抗生物質の効果を高める為に免疫抑制剤の投与を漸減する処置を行います。
免疫抑制剤を減らせば抗生物質の薬効は向上し、感染症の抑圧に有効となりますが反面、移植した肝細胞に深刻なダメージを与える恐れがあります。
医療チームは移植した肝臓を保護しながら感染症の制御をしますが増悪した場合、肺炎→敗血症→多臓器不全→死亡に至ります。

(注:3)医療システムの違い
日本では外科医が問診から手術、退院まで主治医として担当しますが、海外では治療の進行にともない夫々、担当医が代わります。
問診は内科医、手術は外科医、ICUはチーム医師団・病棟はフォローアップの専門医と4段階に分かれます。
年間数百例の移植を行う移植センターは分業システムを採用しています。(私どもが案内する医療機関も同様です)

分業システムとは各担当医が専門的に対応します。
例えば外科医は移植手術を専門的に行い、ICUへ患者を送り出せば職務は完了となります。
次のステップであるICUは感染症の専門医をリーダーに麻酔科・呼吸器科・循環器・消化器内科など各専門医が24時間体制にて対応します。
分業システムは専門性が高く容態の変化に対し機敏に対応でき、効率よく治療が行える反面、医師と患者の関係が軽薄となり不安を感じる方もいます。
•世界各国から移植治療を求めに来る移植センターでは日本語、英語、韓国語、アラビア語など専属通訳が各2名以上配置されています。
日本では想像できないスケールにて移植手術が行われている現実に渡航された方々は驚かれる筈です。
•肝移植は月平均50例前後の移植が実施されています。

私どもの活動
渡航申請を医療機関に提出し、受け入れの承認から滞在許可の取得、帰国後の病院の手配までが範囲となります。
相談料・着手金は不要です。詳しくは私どもで配布している「渡航計画書」をご覧ください。
                                平成25年5月27日



copyright(c)the association for patients of intractable diseases all right reserved.
住所:〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-14 WISE NEXT 新横浜901a