大きな地図で見る
中国の危険性…腎移植での死亡事故 2011年08月20日

今年に入り二名の外国人が無資格の病院で腎移植を行い、命を落とされました。腎移植での死亡はめったに起きる事ではなく、移植医療の進歩により高齢者や重度の合併症をお持ちの患者以外は今では安全度の高い移植治療となっています。
最近、中国では臓器売買や承認を得ない外国人に対する不法移植に対して厳しい取り締まりが行われています。以前なら当局に隠れて日本人が中国人に成り済まして手術が出来たものが今年の5月からは監督官庁である衛生部による抜き打ち検査や術後の追跡調査が厳しく行われるようになりました。
手術後に帰国してしまう外国人患者への移植は大変厳しい状況になってきました。また嘘の身分証明書を作成しての「親族間移植」も同様に厳しい取り締まりの対象となっています。この取り締まりに困り果てた臓器ブローカーや海外の仲介者は新たな方法で移植を続けています。中国政府が認証する大手医療機関が外国人の移植を引き受けなくなった為に地方の小さな病院(無資格)や診療所を借りて、外科医、レシピエント、ドナーの三者が日時を決めて集まり手術をする方法が行われるようになりました。(臓器は別の病院で摘出しアイスボックスで運ばれてくる事もあります)この「不法移植」は当局も既に実態を把握してはいますが中国全土にある数千カ所の診療所すべてを取り締まる事が出来ない状況下にあります。
それ故に死亡事故や重篤患者が大手医療機関に搬送されて初めて気付く有様です。このような移植手術は数百万円の安価で行える反面、下記の大きな危険を伴いますので十分に注意して頂きたいと思います。
① ICUの設備がないので体調の変化に対処できない。
② 他の病院から手術の時だけ外科医・麻酔医・看護婦の3~4名が来て行われる移植は術後の感染症や心不全を発症した時に循環器や感染症の専門医が不在な為に適切な治療ができない。
③ 移植が終わり手術代や謝礼金を払うと関係者はその場から去ってしまい術後の責任の所在が不明になる。
④ 術後に大手医療機関に転院(緊急搬送)するとの約束が事前になされる事もあるが信用できない。また仮に移送されても重篤であれば危険が伴い、搬送先がどの程度の救命処置を施せるのかも不明。
上記の事から今年に入り中国人のみならず外国人の死亡(3月・6月)も報告されています。現在、中国での移植を考えている方は十分にチェックする必要があります。移植する病院名も聞かされずに現地に行く事は無謀な冒険であり死亡や予後の体調不良の責任は誰が負ってくれるのか冷静に判断なさって下さい。
医療機関を選択するにはご面倒でも一度は事前の診察などで現地に行かれることをお勧めします。病院を見るだけではなく医師や仲介者、付き添いのスタッフ等の人柄や動向を知る良い機会にもなると思います。診察だけは大手医療機関で行い手術の直前に何らかの理由で医療機関が変わるなどの説明を受けた場合は一旦断って帰国される方が無難かと思います。
※生体肝部分移植も行われていると聞き及んでいますが、これは危険極まりなく論外です。肝移植は免疫学・循環器・感染症・消化器内科など全科に及ぶ専門医の支援体制が整っていなければ手術の成功は望めない高度医療です。



copyright(c)the association for patients of intractable diseases all right reserved.
住所:〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-14 WISE NEXT 新横浜901a