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肝臓移植をお考えの方へ 2013年04月09日

肝臓移植をお考えの方へ
バルセロナのサッカー選手が肝臓移植後初めて公式戦に出場したニュースが届きました。
激しい運動競技であるサッカーのプロリーグで再び活躍されることはたいへん喜ばしい話で多くの方への励みとなることでしょう。
エリック・アビダル選手 http://news.livedoor.com/article/detail/7570641/

報道によれば肝移植をされたのは昨年の3月だそうですが、前月の2月にフランス代表として彼はピッチに立ってプレーされています。
注目すべきは、まったく健常者と変わらぬ状態で肝臓移植を受けられたことです。

体力があり病状が初期段階であれば移植の成功率は高く術後の快復も早いことは移植術の基本であり常識となっています。それは今日までの症例や生存率で明確に示されています。

しかし、私どもに相談を寄せられる90%以上の方が病状の進行された末期の人達です。
相談を受けて海外の医療機関に照会してもほとんどの方が断られてしまう現実があります。
早い段階でセカンドオピニオンを受けていればもっと多くの命を救えたと思うと残念でなりません。

なぜ渡航移植の判断が遅くなってしまったのか尋ねると以下の回答をされます。
• 癌が発生してから切除・放射線・塞栓術・抗がん剤・ラジオ波・免疫療法など様々な治療をしてきたが癌が消えない、または再発したので電話しました。
• 主治医から肝臓移植の話がまったく無いか、積極的にされなかった。
• 他に治療方法が無く、医師から自宅療養してくださいと言われた。
• どうせ治らないなら海外に賭けてみようと思った。

早期の癌であれば外科的に切除して完治できる可能性は高く有力な治療方法と言えます。また近年では放射線治療の技術も飛躍的に向上しており重粒子・陽子線・ガンマーナイフは外科手術と同等またはそれ以上の効果を上げています。

問題は多発性の癌や再発したケースです。このような場合、各種の治療は延命効果しか望めなくなります。癌はモグラ叩きのように発生し、肝臓以外に転移した時点ですべての治療が終了します。(この時点になり多くの方が私どもに電話をしてきます)

また病状が進行した肝硬変の方は静脈瘤の処置や腹水の排出などの処置を繰り返しされている人がいますが、これは治療ではなく延命のための応急処置です。
自立歩行が困難な状態になってからでは肝移植は残念ながら間に合いません。
患者様との押し問答
海外の移植センターの所見を聞いて憤慨する人や取り乱される方もいます。
日本の病院とは違い「推定余命〇ヵ月」とはっきり記載されている場合もあります。

「肝臓以外に癌は無いと医師から聞いている、もう一度、よく見てください」「余命など聞かされていなかった」など反発されます。
一見すると肝臓がんの方は元気そうにされており、車の運転から日常業務も支障なくこなされている方も珍しくありません。
それだけに移植治療の可能性を否定されるとご本人の衝撃はただなりません。

確かにミラノ基準は目安ではあるので、すべての人が治療できない訳ではありませんが統計的に判断すると予後が期待できないのです。
癌細胞は一カ所に集積し、ある程度(1~2ミリ以上)の大きさに成長しなければ見つけることができません。
長期間がん治療をされた方は細胞レベルの小さながんが全身に散っていると判断されます。
癌が無いのではなく、正確に申しますと「癌が見えない」と言うことです。

医師は渡航移植の話をしない
根本的治療は肝移植しかないと医師は早期に判断されてもご家族に提供者があるか否かを打診して良い返事もらえない場合は患者本人には肝移植の話をしない傾向にあります。

患者の方は口々に「ここまで放置した医者が悪いと」と話されますが主治医が悪いのではありません。
日本移植学会は「身内からの臓器移植以外は認めない」この基本指針があるために、家族に打診して提供者が無ければ渡航移植の話しも含めて根本的治療である臓器移植の話はできないのです。

セカンド‐オピニオン【second opinion】
よりよい決定をするために、もう一人の人から聴取する意見。医療の分野では、一人の医師の意見だけで決めてしまわずに、別の医師の意見も聞いて患者が治療法などを決めることを指す。



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